ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

安宅和人: 脳神経科学とマーケティングの間に棲息

旅行記

From CT to DC (11) : ジョージタウン、そしてプリンストン(最終回)

この町 (Washington DC) に何日もいると、「見る」ということに疲れてくる。Georgetown(大学)のラウンジに入り、金髪の女の子が勉強している姿を右目に一息つく。左目には、遙かに広がる青空と浮かぶ雲。高台にあるからか、ソファに沈みながら空を見ている…

From CT to DC (9) : 硫黄島メモリアル

ポトマック川の向こうに、アーリントン墓地がある。戦死者、大統領など国のために人生を捧げた多くの人たちがそこで静かに眠っている。 案内をたどり、ある丘の上に着く。巨大な戦士達が、旗を立てようとしているまま凍り付いている。 Contax T2, 38mm Sonna…

From CT to DC (8) : アメリカでいかに危険地帯を見分けるか

大分以前に載せていた、ほぼ10年前の旅行記(学位を取った頃です)、一部、掲載していなかったようなので、掲載します。ちょっと内容的にどうかと思ったりもしますが、まあ、当時、そのように感じていたのは事実なので、一応。ご笑覧いただければと。 これが…

From CT to DC (10) : ワシントン・モニュメント

ワシントン・モニュメントは妙に違和感のある建造物である。 宗教的であり、巨大であり、形が強烈すぎる。 Washington Monument, 旗の下にいる人達が見えるだろうか。 ワシントンの町は、高い建物を建てることが禁止されている。この辺り、皇居の周りと同じ…

From CT to DC (7) : 同胞

Leica M7, 35mm Biogon F2.0, RDPIII @Grand Canyon National Park 随分長い間、どこまで続いているのか分からない列を待っている。誰かに肩をたたかれる。Asian(エイジアン:アジア人)の男の子である。(入場)チケットをくれるという。一人四枚もらえる…

米国横断フォトエッセイ12:荒野のコンビニ

名もなき荒野を、ずっと走り続けていると何十マイルかに一度、お店があったりする。 Leica M7, 35mm Biogon F2.0, RDPIII ↑こんなカフェもある。 孤独に立つその姿が心に残る。 Leica M7, 50mm Summilux F1.4, RDPIII これは、コンビニ兼、ガソリンスタンド…

From CT to DC (6) : 合衆国の神々

(5)より続く 広く晴れ晴れとしたDCはどこかさみしい町でもある。リンカーン・メモリアル、ジェファソン・メモリアル、ワシントン・モニュメント、数多くのスミスソニアン国立博物館、ホロコースト博物館、、、見るものはたくさんあるが、それらのどれも「今…

From CT to DC (5) : DC

(4)より続く アナポリスの町はとても小さいけれど、とても愛らしく、人も優しい。港のそばの、二百年以上もやっている食事屋で(!)、店オリジナルのパスタを食べる。ケイジャン風*1に香ばしくいためた帆立の貝柱とカリッとなるまで外を炭火で焼き上げたエ…

From CT to DC (4) : アナポリス

(3)よりつづく 緑青色の屋根、窓枠に彩られた白亜の建物たちの向こう、フットボールフィールドが広がっている。それを取り囲むフェンスの周りに、十七、八ぐらいの女の子達が何人か、その中で練習に励む若者達を見守っている。若者達の年の頃は二十歳前後。…

From CT to DC (3) : バルチモア

(2)より続く Baltimoreの港は美しい。沖縄戦や朝鮮戦争にまで行った軍艦が、こんな地球の裏側でひっそりと佇んでいたりもする。実用船だけでなく、ヨットや帆船がそこいらに休んでいる。空は青く、風が吹き抜ける。ここは、若い、青年の都市である。 着いて…

From CT to DC (2) : I-95

(1)より続く I-95は伸びる。どこまでも伸びる。このボストンからフロリダまでをつなぐ、東海岸の大動脈は、恐ろしいほど強く、逞しい。この上をずっと走っていると、一体自分が走っているのか、それとも道が動いているのか、果たして分からなくなる瞬間があ…

From CT to DC (1) : フィラデルフィア(米国東海岸縦走記 )

Hello! みなさんすてきな週末をお過ごしのことと思います。 このままでは教育サイトになってしまいそうなので(笑)、最近記事を書く時間もままならぬこともあり、2001年(まだテロ戦争の始まる前です!)に、当時住んでいたコネティカット*1からワシントンD…

Brazil 26:Ciao! (最終回)

(Brazil 25より続く) 旅立ちの日が来た。サンパウロのきれいなシティ・ホテルで朝ご飯を食べる。パパイヤがおいしいのは相変わらずだが、なにやら空虚である。物理的にはまだブラジルだが、ここはもうアマゾンではない。既に体の半分はニューヨークに、ア…

Brazil 25:ブラジルで出会った食べ物たち(2)

(Brazil 24より続く) シュラスコ ブラジル独自のバーベキュー。ステーキといった方がいいのかもしれない。サーベルとでも呼ぶべき巨大なナイフに肉塊をいくつも刺し、その周りに岩塩をつけて、時間をかけて焼く。焼くときは、大きなオーブンに十本も二十本…

Brazil 24:ブラジルで出会った食べ物たち(1)

(Brazil 23より続く) 魚に引き続き、野菜だ、果物だ、スパイスだ、と見て回っているうちに、ブラジルで口にした物の一つ一つが味蕾の上に立ち戻って来ては去る。野性味に富み、精妙で、強く、それでいてやさしい。 ここで、これまで触れることの出来なかっ…

Brazil 23:マナウスの胃袋、、、メルカド

(Brazil 22より続く) マナウス最終日、朝。 メルカド(市場)へ出向く。どんな町でも、その匂いを知りたければ、その本当の力を知りたければ、メルカドに行かないといけない。築地を歩いたことのない人など、東京を知っていると言えないのと同じだ。 マナウ…

Brazil 22:アマゾンでの宴の終わり

(Brazil 21より続く) 舟で帰る途中、ある立木の奥に立ち寄る。丸太の柱が何本かあり、その上に青いプラスチックのテント地が張ってある。マナウス周辺の釣りバカ達が夜を徹して釣りに来るときに泊まる場所らしい。約五メートル四方。しかし、こんなところに…

Brazil 21:緑と金の跳躍

(Brazil 20より続く) 「オパ!」 おっさんが声を上げる。竿先が水面に吸い込まれている。ど素人のうちのかみさんにまで釣られ、これまで面目丸つぶれだった彼にも遂に僥倖がやってきたようだ。強い引きだ。糸を出したり巻いたりしたりしながら格闘している。…

Brazil 20:金色のトクナレ

(Brazil 19より続く) ピラーニャのものすごさに唖然としているうちに、あの重戦車のようなプレタとは全く異なる、高レスポンスカーのような引きが唐突にやってくる。グーン、グン、と大きなリズム。それを見ておっさんが、 「タ・ク・ナ・レー」 と言う。ホ…

Brazil 19:ピラーニャの実力

(Brazil 18より続く) 僕にとって記念すべきその場所はどうも他の連中のお気に召さないようで、自分たちにツキがないと見たのか、まだ大して頑張っていないのに移動だという。まだ釣れるよ、とぼそっと言うが、三(二?)対一ではかなわない。有無を言わさず…

Brazil 18:フィッシュ・オン!

(Brazil 17より続く) 魚だ。ヒットだ。フィッシュ・オンだ。 「I GOT it!(かかったぜ!)」そう叫んで糸を巻きにかかる。ドラグはさっき簡単に調整しておいたが、再度少しだけゆるめる。とにかく大切なのは糸をたわめないことだ。三本針といえども、一本し…

Brazil 17 : 到着、第一投

(Brazil 16より続く) 船首にすわったガイドのおじさんが指をさす。それを見て後で舵を切っている土人の彼がスピードを落とす。 近づいたようだ。ここまでの疲れ、不安、倦怠はたちまち消える。心が躍ってくる。 深い深い立木の群の奥のそのまた奥、そこに何…

Brazil 16:海原のような湖

(Brazil 15より続く) この湖は大きい。しばらく船に乗って走り続けているとそれがひしひしと伝わってくる。もう何十分乗っているが、変わらず大海原の真ん中である。こんな小さな船でこんなところでひっくり返ったら、大変だぞ。泳げるのかナ。そもそもピラ…

Brazil 15:アマゾンの夜明け

(Brazil 14より続く) 明日の朝は早い。'The Little Prince'(「星の王子様」)を読んでいるうちに眠りに落ちる。この徹底的な静けさの中にいると、王子様が降りてきて、僕に話しかけてくるのが聞こえて来るような気がしてくる。「本当に大切なことは目に見え…

Brazil 14:音楽、人種、リズム

(Brazil 13より続く) 計画にめどが付くと途端に腹が減ってくる。バッフェに入る。 奇怪な物体が皿の上に寝ている。どうも魚らしい。馬を上から叩きつぶしたような顔をしている。口は掃除機の吸い込み口そっくり。何だこれは?と聞くとただ一言、スルビン、と…

Brazil 13:釣行に向けて

(Brazil 12より続く) マナウス到着当日、夕方。 河に圧倒されたまま、部屋に戻り、マナウスでの計画を練る。具体的には、アメリカから担いできたラフガイドなるブラジル案内本を開き、英語の通じると思われるツアー会社に片っ端から電話をかける。目的は、と…

Brazil 12 : 食べることと出すこと

(Brazil 11より続く) 少し、生きることの本質的作業について取り上げたい。食べることと出すことである。 ブラジルに来てから何がうれしいと言って食べ物が本当にうまいことである。何を食べてもうまい。どこで食べてもうまい。これは本当である。空港のレス…

Brazil 11 : 悪魔ののど笛

(Brazil 10より続く) 合流地点に達する前、甲板の上をうろついているうちに、ロンドンからの三人組と仲良くなる。二人がブラジル人、一人がイラン人。遊び仲間でヴァケーションのようだ。珍しく英語を話す人に会い、お互いうれしくなって盛り上がる。とても…

Brazil 10: カンジル

(Brazil 9より続く) カンジルという魚がいる。別名、食肉どじょう。本によってはカンジェロともカンジロとも書いてあるが、私の耳で聞く限り、何度耳にしてもカンジルーとしか聞こえなかったので、カンジルと書くことにする。なおアマゾンの魚の多くはほとん…

Brazil 9:河の上のみやげ屋

(Brazil 8より続く) リオ・ネグロことネグロ河は本当に黒い。船の水流に揉まれている水を見ていると、まるでコーラの原液をかき回しているように見える。しかし、この上流には何にも産業らしい産業はなく、ひたすらジャングルが広がっているだけである。大体…