米国横断フォトエッセイ3:ハーバードのキャンパスにて

僕が旅行に行くと必ずよるのがその街の大学のキャンパス。アカデミアが長いせいか、アカデミアに対するrespectが強いせいか、旅では途上国の市場(いちば)を回るのと同じぐらい好き。なぜかほっとするとともに、その街にある気高くそして前向きなエネルギーを受け取れる気がする。


これまで何度来たか分からないなじみのボストン、ケンブリッジのハーバードキャンパス。こうやってしみじみ歩いてみると、実に美しい。時おり、観光客がそれなりにいる中、学生たちがひなたぼっこをしながら、階段などで何か読んだりしている。




Leica M3, Summicron 50mm F2, RDPIII(以下同じ):空が真っ青なので反射して何でも青みがかかって見えている。


一方で、この370年にもおよぶ歴史を誇る大学が(註:ハーバードとイェールの設立はアメリカの独立・建国よりかなり古い)、ぜいぜいその三分の一程度しか歴史を持たない日本の大学のどこよりも比較にならないほどこぎれいで、清潔感があふれ、清新で健全な空気に満ちていることに気付く。


そういえば、初めてアメリカで研究し始めた頃、年数的にはかなり古いはずの建物の中が徹底的にリノベートされていて、外も不必要な汚れなどなくとてもきれいで気持ちよいことに、何度もとても驚いたのを思い出す。古い建物は手を入れながら死守するけれど、わざわざ古びかせてみせようなんて誰もしない。


これがアメリカの大学にあって、日本にないもの、「創造できる伝統」と、単なる歴史、ステータスを誇るだけの「伝統」の差を表徴しているように感じてしまうのはぼくだけなのだろうか。


一緒につれてきた娘がアカデミアに対する自然な憧れと、単に権威に囚われない健全な判断の目を持ってくれることを祈りつつ、、、なんて思っていたら、大学の柵の柱に登って飛び降りていた。



大学は広くて静かだから好きらしい。


また、それもいい。



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