ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

安宅和人: 脳神経科学とマーケティングの間に棲息

マーケティングと恋愛(コイバナ)の関係


Contax T2, 38mm Sonnar F2.8 @Los Angeles, CA


マーケティングをアナリティカルに考えましょう!」


と言うと、


「atakaさん、それは(あなたがいくら分析バカでも)いくらなんでも無理でしょう?」


的に大体、異常に引いた反応を受けることが多いのだけれども(笑)、これって人間の感覚とか思いつきの行動を分析できるわけがないという思い込み?からきいているのではないかと思う。それともマーケティングって聞くと、クリエーターとか、プロモーションとかキムタクの出る広告とか、そういう話だと思ってしまうからなのかしら。


まったく同じ類の反応が出るのがいわゆるコイバナ、つまり恋愛、色恋沙汰周りの話ですね。だいたい恋愛の相談を受けて、あまり論理的なアドバイスをしてはいけないというのは昔からの決まり手だ。(笑)


だいたい、舞い上がってしまったり、落ち込んでいる人に対して、聞いてあげるか、チョー具体的な行動レベルのアドバイス(「とりあえず今からあそこにカレーでも食べにいこう」みたいなやつ)以外が役に立ったというのは確かに聞いたことがない。



しかし、しかし、ですよ。僕のコレまでの経験では、この二つはこういう反応が似ているだけでなく、そもそも本質的に非常に似ているというと、違和感があるでしょうか。


あなたと誰か、例えばAさんが好きになって恋に落ちていく過程を考えましょう。順番で行くとこんな感じではないかと思います。

  1. 存在を知る(別に名前でなくても良い、どこかで見かけるとか、話題を耳にするでも良い)
  2. 直接知り合う
  3. 話し合う(もっと知りたい)
  4. 仲良くなる(ちょっといいかも)
  5. 盛り上がる
  6. 一緒に何かをする(散歩とか買い物とか何でも)
  7. 何度も会う
  8. 恒常的にステディとして付き合っている


これって、まさに何かのブランド、商品のとりこになる過程とほぼ文字通り同じ。単価の安いもの、たとえば飲み物を例に取ると、

  1. そういう商品があるということを知る(店で見るとか、飲んでる人を見るとか、広告で見るとかなんでも一緒)
  2. ちょっと興味を持って一度調べてみる
  3. とりあえずちゃんと見ようと思って、一度手にとって見る
  4. ちょっといいかもと思う
  5. 一度飲んでみる
  6. ちょっと好きになってまた飲んでみる
  7. 何度も飲んでみる
  8. ある場面ではいつもそれを飲んでいる


高いものは違うでしょう?という人がいるかも知れないので、家電製品とかカメラなどちょっと高めのモノの例を考えてみると、

  1. そういう商品があるということを知る(雑誌で素敵な人が使っているのを見るとか、イケテイル人から話を聞く、店で偶然見る、など)
  2. 一度手にとって見る、あるいは一度かるーく調べてみる
  3. とりあえず使っている人、詳しそうな人を見つけて話を聞く。あるいは使っている人の話を探す(カカクコムとか、ブログ検索とか)
  4. お財布と相談しつつ、つまり購買ができそうかちょっと考える
  5. 店に行って再度触ってみる。やっぱりいいなと思う。生活にある場面を考える。あったらどうなるかを考える。
  6. 思い切って買う。
  7. 使っているうちにファンになる。
  8. また似たものとか、関連するもの、そこで売っているものが必要になったら買う。結果、自分の周りにそのブランド商品があふれる


どうでしょう?


ほとんど同じじゃないですか?そうなんです。マーケティングって、人がある商品とかブランドに恋に落ちていく過程を演出する仕事なのです。(したがって、もちろん実らない恋もある。グスン。)ちょっとすてきじゃないですか?



で、ちょっと余談ですが、まさに現在のプロフェッショナルマーケティングの分野でブランドや商品の健康状態のクイックチェックに使われているのが、この各ステップにいる人がどの程度いるのかの割合を見る方法。原因はわからないけれど、体がおかしいか、どこで熱が出ているのか、ぐらいは分かる体温計みたいなものですね。


例えば、その商品を使うんじゃないかというユーザの人たちがしっかり見極めできているとして、その本来使ってもらえそうな人から社会統計的に意味がある程度の数を拾い上げて、調べると、コレがびっくり。同じ分野でも、あるいは同じ会社の商品でも、驚くほど違うのです。(註:極端な話、自分の学校でのモテ度を考えるときに、学区外の人を考えてもしょうがないように、ちゃんとターゲット層に聞かないと意味がない。)


そもそも恋に落ちたい人に知られていないというのが初歩的というか、なんというか最も簡単なパターン。ゲームが始まっていないのですから、ちゃんとゲームを始めることが大切。でもそのときには、さんざんこのブログで書いてきたような、「知覚の法則」、つなわち、「心に残るために必要な要素」がとっても大切になります。


知られているけれど、それだけというのが厄介なケース。それ以上知りたくないわけですから、それは多少無理やりでも引っ掛かりを生み出さないといけない。でもその引っ掛かりのつもりでやる行動が逆に出ちゃうとコレが大変。恋愛ドラマさながらの状況になってしまう、、、。相手がなんと言っていても、よく分かっている!的な行動ができるといいのですが、なかなかそうはいかないもの。本当のくすぐりどころを見極められるかどうかが勝負になります。


どうでしょう?あなたの恋、あるいは大切な人との関係でも使えそうじゃないですか?


ちなみにコレは、政治家の人にもとてもおススメです。今度アメリカ横断旅行記に、小浜じゃなくてオバマ(←これすごい変換、、、どこの地名だろう?)と負け院じゃなくて負け印でもなくてマケイン(←どうして書き手の気持ちが分かるのか?笑)の話を書いてみたいかなと思う。、、、どなたか政治家の方、アドバイザー契約が必要であればご連絡ください。いい仕事します。(笑)




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