ファーストムーバーアドバンテージ

知覚のポイントから見た商品、サービス打ち出しの原則より続く)


First Mover's Advantage


これは読んで字のごとく、最初にその市場に入ってくると大きなアドバンテージがあるというもの。一見正しそうですが、では、世界で始めて、とか、本邦初、とかという商品が、なぜお金も人材もある大手の企業が取り組んだ場合でも軒並み失敗してしまうのでしょう?これらの結果から見ると、これは間違った原則のように見えるのですが、多少は真実があるのでしょうか?いずれにしても、それはどこに原因があるのでしょうか。


知覚に基づく「押さえどころの原則*1 をベースに考えると、「最初」の意味が大切ということになります。つまり、(1)どの程度その市場にとって新しいのか、あるいは異質なのか、ということが第一。最初に入っても、この異質性、新規性、その違いのレベルが弱いとほとんど意味がないことは脳の知覚の性質から見ると明らかです。


また、結局打ち出しの課程で、(2)どの程度、「生活なり意味のある状況と関連付けて打ち出せるか」ということがないとまず失敗することも明らかです。これが機能とかベネフィットばかり訴求して失敗してしまう商品の典型例です。ヨーロッパでは一番!といってやってきた90年代初頭のオペルなどもこの例に当てはまるでしょう。


つまり、以上二つの留意点に留意する限り、この原則は正しいということになります。ただ、この留意点の二つがあまりにも本質的なことが、この原則が当てはまらない実例がやたら多い一つの原因ということは言えそうです。(ブログなのでざっくりとした議論ですが、実行に問題があるケースが半分以上あることを差し引いてもこれはほぼいえると思います。)


ということでこの考え方の評価は30点。



ポジショニング:知覚の視点から見た活用の押さえどころへ続く)



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*1:これまでにない異質で意味があるレベルの価値を、生活なり意味のある状況と関連付けて打ち出すこと