ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

安宅和人: 脳神経科学とマーケティングの間に棲息

草なぎ君、胸を張れ。今、君は誰よりも日本中を楽しませている


Leica M7, 50mm Summilux F1.4, PN400N @ Navajo Nation, AZ *1


だいぶ書き物が出来てきたなあと思うと、あの大騒ぎ。あの日の朝はトラフィック負荷耐性は日本最強と思われるヤフーのトップですら重くなっていたので、よほどのアクセスが発生したのだと思う。

問題の公園の近くで働くぼくとしては何とも言えない違和感とともに、なんで責めるの、彼を、、、と思わざるを得ない。

僕がまさに震源地の六本木、西麻布界隈で人々の反応をこの二日間、見る限り、草なぎ君の逮捕はほとんどすべての人に喜びをもたらしているように見える。昨夜もある西麻布のおでん屋で騒いでいたのだけれど、周りの人は、例外なくこの話題を語っていて、しかもとても楽しそうだった。問題の公園脇で、あのすかしたミッドタウンでも、本当に楽しそうに笑いながら話している人たちをずいぶん見た。タッキーに走りがちなはてなブログ界も、ずいぶん楽しそうに盛り上がってるように見える。

みんなが吹き出しながら、かわいそうと言っていて、ホント最近の辛気くさい雰囲気を一発で吹き飛ばしたたいしたやつだと思う。それだけでも褒めてあげたい。

これだけの明るいというか罪のない笑いが日本を覆ったのは久しぶりなんじゃないかな。

鳩山のトッツァンなんて許せんとか吠えていたけれど、何を言ってるんだという気がする*2。あの事件のおかげで、地デジ時代の到来はパロディも含めて、ついに一気にほぼ100%の認知をもたらした。そういう意味では、もうあのポスターを打ち切っても良いぐらいの効果を一晩で出したのではないか。逆に感謝をにじませつつぐらいの、大人の対応が欲しかった。

広告打ち切りがニュースで流れたところはたぶん、すべからく同じような恩恵を得ていると思う。こんな広告なんて誰も真剣に目を向けない時代には、このぐらいのことをやらないと広告の認知を劇的に挙げることはできないのかもしれない。

僕は別にSMAPのファンではないけれど、鳩山さんと、草なぎ君と「どちらが人として悪い人だろうと思うか」と世の中の人に聞けば(鳩山さんの悪役顔で分が悪いところがあるのはあるにしても)、今でも圧倒的に、「鳩山さんの方が悪い人なんじゃないかな」、なんて多くの人が答えるのではないかと思う。

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さっき目黒のアトレのTully'sでコーヒーを飲んでいると、隣に初老のおばあさんと、その娘が座っていて、おばあちゃんが語ってる。

「あれね、わたし彼のことファンでも好きでもなんでもないんだけれど、自分に何の得にもならないような、言わなくてもいいことまで正直に言っていて、ホントこの子かわいいと思ったのよ」「めずらしいいい子じゃない」

とか言って、娘と笑ってる。僕も心の中で、そうだよね、なんて思いながらうなづいている。そんなものだろうと思う。

テレビでぱらぱら見ている限りでも、街角のインタビューで彼のことを語る人は、口では「悪いことだと思います」とか言っている人ですら、例外なく顔は笑ってる。

ホント、あそこまでのリスクをとって笑いを取る必要があったのかは全然分からないけれど、草なぎ君、ありがとう、と僕は思う。

僕らに必要だったのはこの無邪気な笑いだったんじゃないかな、と。

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ちなみに、六本木のあの界隈は、防衛庁があった頃はめちゃめちゃ危険な地帯だったのはあの界隈の人なら、良くご案内の通り。違法売春系の女の人たちが、いくつかの路地に世界中から集まっていて、良く冗談でAround the world in 10 minutesなんて言っていた。ロシアあり、中国あり、東南アジアあり、ヨーロッパあり、アメリカあり、南米ありで、もうめちゃめちゃ。

今でも多少はそんな雰囲気があり、あの近くの牛丼屋なんて、朝7時半ぐらいに行っても、夜を徹して遊んでいた、いろんな国のかなりただれた連中が、怪しい雰囲気で牛(ウシ)を食いながら騒いでいる。店員もフルでエスニックだったりする。キャバクラなんて文字通り数えられないほどあって、過当競争のあまり、昼飯の時間まで前にも少し書いたけれど「昼キャバ」として客を呼び込んでいたりする。ミッドタウンの真横ですら、だ。

正直、あのような最も東京で不夜城に近い地帯の一つで、裸で人(しかも男)が転がっているぐらいで何を言ってんだ、と思う。それを言うなら下着同然で歩き回るあの若い女たちとか、上半身裸で歩き回る黒人たちをどうにかしてくれ。別にミッドタウンや六本木ヒルズの前でいきなり全裸になって女の人に見せつけたとかでもないのだし。

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草なぎくん、がんばれ。

日本中が君に楽しませてもらってる。早く元気を出してください。


そして警察の人へ、、、ちょっとやりすぎでした、と一言謝ってほしい。発表と報道が本当に正しければ、あれで「公然わいせつ」というのは難しいよ。いくらなんでも。人のいない深夜の公園じゃ、誰も強制されていないもの。

ただでさえ不景気なのに、これじゃ酒を飲むのが怖くなっちゃうよ。いきなりラリッてると思われて家宅捜索までされるなんて、どう考えてもあんまりだ。

お酒で意識を失ったことは、いくらおまわりさんと言えどもあるんじゃないかな、、、。

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最後にキャサリン・ヘブバーンの名言を

“If you obey all the rules, you miss all the fun."

すべての決まりを守ってしまえば、すべての楽しさを失うことになる。

— Katharine Hepburn

そう、ニーチェじゃないが、人は遊びと危機にしか熱狂することはできない。それがない社会は不健康だし、それを許容できない社会は、未成熟だ。

Joy of Lifeの本質の一つを思い出させてくれた草なぎ君に乾杯。



ps. 連休明けぐらいに本格再開ができるように目指してがんばってます。皆さんよい週末を!


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*1:前に使ったかもしれないけれど、草なぎ君の「世界に一つだけの花」のイメージで

*2:かんぽの宿と同じで、あんなに騒いだということは、彼は政治的に得をすると思ったのかナ? かんぽの宿も、ホント誰も買わない不採算案件をあれだけの額で買ってくれる人がついただけでありがたいと思うべきなのに、、、。