ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

安宅和人: 脳神経科学とマーケティングの間に棲息

Brazil 3:リオネグロ

Brazil 2より続く


ホテルに着き、部屋に荷物を下ろすと、何はさておき、その前に広がるネグロ川を見に出る。ホテルの前の小さなジャングルをくぐり川辺に出る。


息をのむ。


広い、実に広い。


聞くと、幅が十数キロあるという。河口から千六百キロ、日本でいえば青森の下北半島の先端から、山口県の門司までの距離をさかのぼったマナウスにおいてある。


この辺りの平均の深さは四十五から七十五メートル、少し細くなっているところでは百メートルを軽く越えるという。子供のころ父と釣りをしていた記憶を思い起こす。これは深海魚と言っても良い鱈(タラ)がきっと現れ始める水深である。


僕はこれまでも随分色々とアマゾンの巨大さにまつわる話を聞いていたが、認識が甘かったことを思い知らされる。ミシシッピ川を初めて見たとき、随分大きいと思って興奮して写真を撮ったのは何だったのだろうか。井の中の蛙、外を知らずとは言うが。大きさここに果てり、といったところか。河口に浮かぶ島が直径二百マイル(三百二十キロ)と九州より大きい、世界の淡水の三分の二はこの河にある、などと聞いても、ニコニコしつつ、脳は麻痺し、きっとその通りである。信じます、としか言えない。


このネグロ川はこのホテルから十キロ余り下った地点で、アマゾン川本流と交わる。それを考えるとそこから先は私の頭では処理しきれない大きさである。この話を聞き及んでようやく飛行機の窓から両岸を同時に見れなかったのは当然だと納得する。


河の流れは非常に緩やかで、ちょっと目には動いているように見えない。ためしに、川辺に落ちている木ぎれを投げてみる。たしかに動いていくのが分かる。が、明らかに歩くスピードの方が速い。あとで聞いたところでは、流れは河の中央部でも一時間で1.5キロにすぎないという。想像したこともないこの対岸の遠さと、その緩やかにしか進まない木ぎれをなにともなく見ていると、ブラジル人のおおらかさの源流はここにあるのではと感じたりする。


日本からの移民はかつてこの川のことを大江と呼んだという。それ以外、表現のしようがなかったであろう。



この国はアマニャン(明日)の国といわれ、そして今もそうだと言われている。いくら開拓してもしきれないほど続くジャングル、この海のような大河、確かに人間など小さく見えてくる。明日にやればよいと思うのは無理がない気がする。


自分もまたブラジルに犯されてきているのだろうか。
存在は確かに意識に影響する。



写真説明(以下の写真は是非クリックして大きな画面で見て頂きたい)


1. ホテルの前に広がるRio Neguro



2. A boat on Rio Negro




Brazil 4へ続く


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