Leica M7, 50mm Planar F2.0, RDPIII @Phuket, Thailand
さっき緒形拳さんの遺作のドラマの最終回を見て、ふと土と父って同じ語源なんじゃないかと思った。
緒形拳さん演じる富良野のお医者さんのもとに、火宅の人系の麻酔医である息子が膵臓の末期がんで、帰ってくる。バラバラになっている家庭が、この死を前にした限られた時間の中で再生する。
かなえられない恋愛を経た美しい娘、ルイ(黒木メイサ)がおじいさんとともに、父の最後の日々を共に過ごす。そして父の死後、最後に出会うのが、父が最後に植えていた花が広がる美しい森の中の空間だ。
土の中にじっと潜んでいた愛が、こうやって時限装置のように現れる。主人公の中井貴一は、死んだあとの世界があるのだったら、きっとサインを送るよ、と言って亡くなるのだが、こうやってひとしきり時間が経って、ふとした拍子に現れる自然にしみじみとした暖かさがあった。
小さい頃は土いじりが僕もとても好きだった。土をいじり、父と庭の手入れや、庭の木や野菜の世話をする。そんな中でしみじみと親子の時間があったのが、ふと思い出された。
なんと言うこともない、土との触れ合いはなぜか僕の心をほっとさせる。それはなにか、父に感じる暖かさに通じるものがあったからかもしれないな、となぜかふと思ったのだ。土は自分を自由にさせてくれ、自分を傷つけることはなく、そして揺らぐことがない。
そういう意味で、土と父は何か共通の力があるのかな、と思ったりする。
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薬が効いたのか、頭痛はおさまってきた。
そして薬の効果もあって、ぼーっと、画面を深く眺めていたらそういうことを思った。
こういう時間も良いな、そして緒形拳さんの無性に深く、慈愛のある笑顔を見て、自分もこんな歴史のある顔になりたいと思った。
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