ポーニョ、ポニョ、ポニョ、、、フィルム、銀塩写真の行方


Leica M7, 50mm Planar F2.0, RDPIII @Tokyo Disney Land


大してテレビも見ていないのに、いったいどこから来るのか、ポニョ(『崖の上のポニョ』)の歌が耳から離れません。宮崎アニメのパワーもたいしたものです。それでちょっとネットを漂っていると、いきなり丸ごとアップしている中国サイトを発見!(違法性が高いのでリンクはしません。)恐ろしい時代になったものです。日本やアメリカであれば即刻当局にやられてしまうのですが、、、。


それはそれとこうやって実写やSFXがものすごーく盛んになった時代に、ディズニーも含め、こんな手作りのアニメが盛んに残っているというのは、ちょっとすごく不思議なことです。確かに一度見れば納得いくぐらいの良さがあるのですが、それってやっぱりちょっと不思議じゃありませんか?


これって何か銀塩フィルムとデジカメ写真に通じるものがあると思うし、古くは木版画と印刷の関係に近いものなのではないかと思っています。


印刷と版画は元々は同じものですが、今はすっかり業務用は印刷、美術系は版画(リトグラフなんかも含めて)という風に住み分けています。手をかけて作り込み、それを味わいたい人には印刷はまったくもって味気なく、ただ単に大量の情報をただリアルに見れればよいという人には版画はまったくもって割に合わない。コレと同じように、写真も結局、銀塩フィルムは残り、そういう風に分化していくのではないかと。


銀塩の味わいは独特であり、蜷川実花さんのあのあでやかな、それでいて陰影をもった写真なんて、デジタルでどうやっても生まれない気がする(蜷川さんもどこかでぼやいていたのを読んだことがある)。そういう部分はやっぱりフィルムで残るのだろうなと思います。あんなにデジタルが好きな紀信さんですら、この間RINKO(菊地凛子さんの写真集)はフィルムで撮っていた。


ちょっと不安を感じるのは、フィルムの牙城たるプロラボの顧客であるプロ写真家たちが、作品はともかく、毎日のお仕事がデジタル化しているというところですね。プロラボこそが最後の砦的な場所で、僕も日々活用しているのですが(ポジでも二時間で上がるので)、そこが印刷と版画みたいに分かれてしまうと、僕のようなアマチュア愛好家としては困ってしまう。プロは蛇の道は蛇でなんとかやっていけるのでしょうが。


マーケティングの人っぽい言葉で言うと(笑)、プロラボ、銀塩写真は本来のポジショニングと、ターゲットがずれ始めている。マーケティング的には大きなチャンスですね。ベクトルを見据えて踏み込んだ人がその先のポジショニングの勝者になるでしょう。


つい昨日もとある世界的なカメラメーカーの方と、先日の記事に対して個人的なやり取りをしていたのですが、やっぱりフィルムにはある種の魔力、越えられない何かがありますね。(Sさん言葉を借りました!)


この文化、細々とでもよいので残していきたいものです。



ps. 夏休みなので、こんなブログばっかり書いていないで外に行ってきます。(笑)



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