ハセキョーの結婚発表を見て思うこと


Leica M7, 50mm Summilux F1.4, RDPIII @Firetree Inn, Monument Valley, UT


昨日はダブルで結婚の発表があってそれがスポーツ系新聞のトップ記事だった。

フジテレビの佐々木恭子アナと、長谷川京子さんだ。僕の回りの30過ぎ辺りの独身男性はかなり歴史的なショックを受けている人が何人か見受けられたが、ここで書きたいのはそれではない。:)


僕が驚いたのはハセキョーの情報発信がいわゆる四マス媒体、すなわちテレビ、新聞、雑誌、ラジオに対する情報リークではなく、自分のブログ的なホームページ上で行われたことだ。サッカーの中田のような、マスとは別の場で自己表現できるの人の告白的な引退意思表明が、自分のブログで行われたのは多少以上に分かる。が、このように四マスから生まれ、四マスとともに生きてきた人が、個人の場からまず意思を発表する、ビデオもそこに載せてしまう、TVはただそれを流す、というのは、実に歴史的なことのように感じた。


真の情報発信源はついに個人の側に移り、マス媒体は単なる拡声器になってしまった。


ついに、という感じである。

既存のメディア、広告代理店にとってあまりにも厳しい事実だからか、あるいは数値的にトラックしている人が他にいないからか明らかにされていないが、実は、ハイテク家電など情報性の高い商品のマーケティング現場では、2001年前後におそらく過去50年のマーケティング史上最大級の歴史的な局面があった。

カカクコムなどの口コミサイト、掲示板などウェブ上のいわゆるCGM(consumer generated media:ユーザが自ら情報を生み出すメディア)が、マスメディア、4マスの力を商品プル創造において逆転したのだ。その初期の成功事例が、全くマス訴求なく立ち上がったダイソンであり、このブログのどこかでも触れたが、リコーのGRデジタルだった。この辺りの分野では、もうCGMでプルを生み出して、店頭でどこまでそれが正しいと伝えられるかが実際の勝負になってしまいつつある。テレビへの広告出稿が今期10パーセント以上減ってしまったのは決して単に不況のためではなく、これがあまり意味がないことがついにバレバレになってしまったからである。そしてインタラクティブメディアへの出稿だけがこの局面でも伸びている。このトレンドはこの不況によって加速的に進むことだけはほぼ間違いない。


しかし、これがマス媒体上に存在意義のすべてがあるような人の場合、自分を生み出し、育ててくれたメディアに対する恩義が優先するものとばかり僕は思っていた。が、これももう過去のことのようだ。

ハセキョーの側は当然あんまり何も感じていないと思うが、彼女のようにしっかりとした人気のある人であれば、ツールさえあれば自分自信がある種メディアのコアコンテンツとしてCGMで発信が可能になる。そしてそれが特に信義則的な違反も感じられず、おこってしまう時代になったんだとしみじみと感じた。


もうこの流れはせき止めることが出来ない。僕にとってこれをしみじみ感じる歴史的な1日だった。