ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Between Neuroscience and Marketing

安宅和人: 脳神経科学とマーケティングの間に棲息

アメリカ

From CT to DC (11) : ジョージタウン、そしてプリンストン(最終回)

この町 (Washington DC) に何日もいると、「見る」ということに疲れてくる。Georgetown(大学)のラウンジに入り、金髪の女の子が勉強している姿を右目に一息つく。左目には、遙かに広がる青空と浮かぶ雲。高台にあるからか、ソファに沈みながら空を見ている…

From CT to DC (9) : 硫黄島メモリアル

ポトマック川の向こうに、アーリントン墓地がある。戦死者、大統領など国のために人生を捧げた多くの人たちがそこで静かに眠っている。 案内をたどり、ある丘の上に着く。巨大な戦士達が、旗を立てようとしているまま凍り付いている。 Contax T2, 38mm Sonna…

From CT to DC (8) : アメリカでいかに危険地帯を見分けるか

大分以前に載せていた、ほぼ10年前の旅行記(学位を取った頃です)、一部、掲載していなかったようなので、掲載します。ちょっと内容的にどうかと思ったりもしますが、まあ、当時、そのように感じていたのは事実なので、一応。ご笑覧いただければと。 これが…

米国の主要大学はどうしてこれほどの投資益を叩き出せるのか?:国内大学強化に向けた考察3

Leica M3, Summilux 50mm F1.4 @表参道、東京 (はじめに)本エントリは次の2エントリの続編です。もしまだであれば、なるたけそちらをまず先にご覧になられることをおすすめします。(多分その方が何倍か味わいぶかいと思います。) 本当に東大レベルのお金…

日本の大学の資金力のなさはどこから来るのか?:国内大学強化に向けた考察2

Leica M3, Summilux 50mm F1.4 @こどもの城、青山 (これは昨日のエントリ「本当に東大レベルのお金があれば、世界に伍していけるのか?」の続きです。ご覧になっていなければ、是非まずそちらをお読み頂ければ幸いです。) 次に2、これだけの資金力のギャッ…

本当に東大レベルのお金があれば、世界に伍していけるのか?:国内大学強化に向けた考察1

Leica M3, Summilux 50mm F1.4 @子供の城, 青山 こんなところで議論するようなことではないと思うのだけれど、この間、大学論についてのエントリを書いてから、大学運営の基本的な構造について、恐らく幅広い誤解がある、あるいは事実の誤認識があるのではな…

From CT to DC (10) : ワシントン・モニュメント

ワシントン・モニュメントは妙に違和感のある建造物である。 宗教的であり、巨大であり、形が強烈すぎる。 Washington Monument, 旗の下にいる人達が見えるだろうか。 ワシントンの町は、高い建物を建てることが禁止されている。この辺り、皇居の周りと同じ…

From CT to DC (7) : 同胞

Leica M7, 35mm Biogon F2.0, RDPIII @Grand Canyon National Park 随分長い間、どこまで続いているのか分からない列を待っている。誰かに肩をたたかれる。Asian(エイジアン:アジア人)の男の子である。(入場)チケットをくれるという。一人四枚もらえる…

米国横断フォトエッセイ12:荒野のコンビニ

名もなき荒野を、ずっと走り続けていると何十マイルかに一度、お店があったりする。 Leica M7, 35mm Biogon F2.0, RDPIII ↑こんなカフェもある。 孤独に立つその姿が心に残る。 Leica M7, 50mm Summilux F1.4, RDPIII これは、コンビニ兼、ガソリンスタンド…

From CT to DC (6) : 合衆国の神々

(5)より続く 広く晴れ晴れとしたDCはどこかさみしい町でもある。リンカーン・メモリアル、ジェファソン・メモリアル、ワシントン・モニュメント、数多くのスミスソニアン国立博物館、ホロコースト博物館、、、見るものはたくさんあるが、それらのどれも「今…

From CT to DC (5) : DC

(4)より続く アナポリスの町はとても小さいけれど、とても愛らしく、人も優しい。港のそばの、二百年以上もやっている食事屋で(!)、店オリジナルのパスタを食べる。ケイジャン風*1に香ばしくいためた帆立の貝柱とカリッとなるまで外を炭火で焼き上げたエ…

From CT to DC (4) : アナポリス

(3)よりつづく 緑青色の屋根、窓枠に彩られた白亜の建物たちの向こう、フットボールフィールドが広がっている。それを取り囲むフェンスの周りに、十七、八ぐらいの女の子達が何人か、その中で練習に励む若者達を見守っている。若者達の年の頃は二十歳前後。…

From CT to DC (3) : バルチモア

(2)より続く Baltimoreの港は美しい。沖縄戦や朝鮮戦争にまで行った軍艦が、こんな地球の裏側でひっそりと佇んでいたりもする。実用船だけでなく、ヨットや帆船がそこいらに休んでいる。空は青く、風が吹き抜ける。ここは、若い、青年の都市である。 着いて…

From CT to DC (2) : I-95

(1)より続く I-95は伸びる。どこまでも伸びる。このボストンからフロリダまでをつなぐ、東海岸の大動脈は、恐ろしいほど強く、逞しい。この上をずっと走っていると、一体自分が走っているのか、それとも道が動いているのか、果たして分からなくなる瞬間があ…

From CT to DC (1) : フィラデルフィア(米国東海岸縦走記 )

Hello! みなさんすてきな週末をお過ごしのことと思います。 このままでは教育サイトになってしまいそうなので(笑)、最近記事を書く時間もままならぬこともあり、2001年(まだテロ戦争の始まる前です!)に、当時住んでいたコネティカット*1からワシントンD…

この国はどのような人間を育てようとしているのか?

Contax T2, 38mm Sonnar F2.8 @Greenwich, CT 昨日とても考えさせられるディナーがあった。 友人の一人が、Yale College*1を卒業後、New York Cityのある有名な投資グループで働いているのだが*2、ここのところ、日本での事業の立ち上げで東京と往復する生活…

アメリカのPh.D.はどこに行くのか

Nikon F2, 50mm Planar F1.4 @Tokyo これはmasa346さんのご質問に対するエントリです。 アメリカではPh.D.の人の未来はかなり自由です。エンジニアリングスクールであればマスター出は結構いますが、純粋サイエンスでは、修士課程がないので、まあ、日本とは…

ポスドク問題について思う2

Contax T2, 38mm Sonnar F2.8 @Los Angeles, CA (これは昨日の呟き編の続きです。ごはんを楽しく食べていたら書くのを忘れてしまってました、、、。昨日のを読まれていない人は、まずそちらをご覧ください。) wackyhopeさん、いつもコメントありがとうござ…

ポスドク問題について思う

Leica M7, 50mm Summilux F1.4, RDPIII @Grand Canyon National Park, AZ 休載宣言以来、案の定ほとんど書けていませんが、なんというか日本の学位取得者について考えさせられるメールが来て、ちょっとだけ。 ポスドク*1問題というのが日本ではかなり深刻だ…

昨日のコメントを受けた追伸、、、若さは才能

Leica M3, 50mm Summicron F2.0, S-800 @お台場、東京 昨日のエントリのコメントを見ていて少し追伸。(まだご覧になっていない人は、文脈が理解できないと思うので、そちらをまずご覧ください。) まず、以下のエントリはかなり密接に関係したトピックなので…

専門教育に関して悩まれている人へ贈る言葉

Leica M7, 50mm Summilux F1.4, 400VC-3ブログ、全面再開できる状態にはほど遠いのですが、時たま、読者のかたから進学関連の悩み相談のようなメールを受けることがあり、今週もかなりまじめなものを受け取ったりしたものですからちょっと書いてみたいと思い…

米国横断フォトエッセイ11:この空は生きている

空が生きている。 Leica M7, 35mm Biogon F2.0, RDPIII アリゾナに入ってから、そのことを実感する。 空にも重力がある、、、そう言ったのは藤原新也さんだったか。ふと、そんな言葉を思い出す。 かつてマナウスに着き、初めてアマゾン河の支流、リオネグロ…

米国横断フォトエッセイ10 : アメリカンドライブ

Grantsを発ち、アリゾナに向かう。 Leica M7, 35mm Biogon F2.0, RDPIII (出来たらクリックして大画面で見てみてください) たまらなくなるようなアメリカンドライブだ。 日本の道を走るのと違い、こんな道なら何時間でも走れる。中央分離帯だけで100フィー…

米国横断フォトエッセイ9 : 西部到着

ABQ(アルバカーキ)到着。ニューメキシコだ。ここからアリゾナ辺りが、いわゆる西部劇の舞台。雨上がりだからか、神々しい空からの光が降り降りている。 Leica M7, 50mm Summilux F1.4 (以下同じ) 緑などほとんどない砂漠の大地だが、かえって神の土地とい…

米国横断フォトエッセイ8 : デンバーの空港にて

米国横断の途中、コロラドのデンバーから、アルバカーキ、いわゆるABQ*1まで飛行機に乗った。で、デンバーの空港について歩いてみると、大きな金属とガラスのハコの中に、実に見覚えのあるものが大量に並んでいる。 Leica M7, 50mm Summilux F1.4 @Denver, C…

高峰譲吉博士とノーベル賞

Leica M7, 35mm Biogon F2.0 @Sedona, AZ 先日、といってももう一月ほど前になるが、久しぶりに生の演劇を見た。新宿の紀伊國屋サザンシアターで、高峰譲吉博士の人生を描いたものだった(『サムライ 高峰譲吉』)。私の20年来の大切な友人の一人である串間…

渡米して最初に思ったこと(6) - 幸せとは?

Leica M7, 50mm C-Sonnar F1.5 @Mother Farm, Chiba 日本では勝つという言葉が意味していることは非常に狭いけれど、アメリカ人が使うwinという言葉の意味は非常に広い。Are you winning?と毎日言っている、かつて僕のチームメンバーがいたけれど(外人)そ…

渡米して最初に思ったこと(5) - 夢の大切さ

先週まで載せていた11年前のメモの続きです。このシリーズ、間もなく終了です。 Leica M7, 50mm Summicron F2.0, Fortia SP @目黒、東京 アメリカに来てから、こちらのスポーツ選手のインタビューを聞くと、いつも彼らが例外なく自分の考えを持って自分の足…

渡米して最初に思ったこと(4) - 石橋を叩けば渡れない

Leica M7, 50mm Summilux F1.4, PN400N @Santa Monica, CA 勇気 勇気がなかなか持てなくて、そしてこの責任を恐れて人は本当の自由を得られない。どうして自分のままでいちゃだめなのだろう。人が自分のことどう見たっていいんじゃないか。僕が学生の頃、仲…

渡米して最初に思ったこと(3) - 若さとリスク

Leica M3, 50mm Summicron F2.0 @Bali, Indonesia 若さ 若者にはリスクがないという人がいる。確かに、持っているもの(主として家族と地位)の大きさからみたら大人の決断におけるリスクの方が若いときのそれに比べ、大きく見えるかも知れない。しかし、残…